フランスのマクロン大統領の政策と為替への影響

2017年6月21日

2017年6月20日

フランス史上、もっとも若い大統領が誕生した2017年は大きなターニングポイントになるかもしれません。マクロン大統領が誕生したことで、フランスのEU離脱はひとまず回避できたと考えられます。2017年の後半はドイツでも政治的なイベントが多いので注意が必要です。

この記事の目次

2017年のフランス大統領選をおさらい: 2017年の大統領選今日について振り返ります。
大統領就任時には国民融和という言葉: 右派に配慮した発言もあり、双方の支持者の取り込みを図りました。
マクロン大統領の政策: マクロン大統領がもつプランとはどのようなものでしょうか？
その後為替相場で取引してみよう: フランス議会選挙を終えた今、安定した相場で取引してみましょう。

2017年フランス大統領選をおさらい

2017年のフランス大統領選挙は、まさに歴史に残る一大イベントとなりましたね！史上最年少39歳という部分だけでもインパクトがありますが、ルペン氏の率いる極右政党「国民戦線」の躍進によりフランスがEUを離脱するのではないかという危機感もありました。

仮にルペン氏が勝利していた場合、ユーロ圏の経済に大きな影響が出ることは間違いありませんでした。

2017年5月7日に行われた第2回投票では、既存の政党の支持率の低下により躍進したルペン氏、そしてマクロン氏との一騎打ちとなっていました。しかし、ふたを開けてみればマクロン氏が投票数の66%を獲得する結果でしたから圧勝と言えるでしょう。

大統領就任時には国民融和という言葉

マクロン大統領の就任式典での演説では、「国民の融和に努める」という言葉がありました。移民問題やEU離脱から国民の考えが大きく2分される総選挙だったこともあり、フランス国民をひとつにまとめることを意識した発言のように感じました。

現在のフランスは経済低成長に悩まされており、その改善には国民が一丸となる必要があることも同時に説いているのでしょう。どちらにしても、国民の大半より認められた大統領が誕生したことは今のところ間違いないでしょう。問題は経済政策を含めどのような政策をマクロン大統領が持っているかということです。

具体的な政策にはどのようなものがあるか？

マクロン大統領の政策の方向性は、「労働者の権利」について重要視するものです。この部分がマクロン大統領が支持される重要な部分です。もし政党内で方向性に違いがあり対立するなどすれば、それだけで支持率が急落することにつながります。

具体的にマクロン大統領が今の時点で打ち出している政策は、「労働規制緩和」と「中小企業の減税」になります。一般的な労働階級の人間が生活しやすい環境を整えることで、フランスの経済を守ろうとしているのです。　

マクロン大統領は現在のEUのルールを順守する姿勢をだしています。財政赤字を対GDP比３％以内に収める、というルールも守るという事です。また法人税を現在して、EU圏の経済活動をより活性化させる方向性も打ち出しています。

マクロン大統領が誕生したことで、数年間はイギリスのようにEU離脱という動きにはならないでしょう。EUの結束を強くすることを目指している大統領なので、離脱を心配する必要はありません。もちろん、その判断が正しいか否かはすぐには分からない所です。

イギリスがEUから離れたことで、常に崩壊の危機に晒されている状態になっています。2017年は7月にドイツでG20のサミットがあったり、9月にはドイツ議会選挙があります。ドイツがどういった動きを見せるのか、経済ニュースを注目しておく必要があります。もし大国がもうひとつEUから離れるようなことがあれば、それはEUの終焉を意味していると考えて間違いありません。